進さんの声が好き。
もうすっかりと大人の人みたいな、
少し低めで、毅然とした張りのある、
日頃の進さんそのものみたいに頼もしい声。
真面目なお話とか、誠実なお話とかしかしない人だし、
あの蛭魔さんからの挑発でも、
真っ向から受けて立ててしまえるような人。
そんな風に、雄々しくて落ち着いた進さんに相応しい、
力強くて説得力のある、あの声が好き。
でもね、このごろの時々、それとは違う声も聴けるようになった。
一緒に走っていての、インターバルを取ってる間合い。
あんまりいいお天気だからとか、ポカポカしててついとか、
風が気持ちいいから…なんて、
うっかりうとうと寝入ってしまうと、あのね?
そぉっとお顔を近づけて、微かな微かな小さいお声で、
――― 小早川。
名前を呼んでくれる。
起こそうとして…にしては、それは小さなお声で。
でも不思議と、いつものよりもっと低くはなるけれど、
掠れないまま やわらかくなってるそのお声で、
――― 小早川?、って。
ただでさえ うとうとしていた陽だまりの中、
大人の人のそれみたいな、
精悍でドキドキする匂いと温みが近づいて来て。
前髪をくすぐる頼もしいお声と一緒に、
ふんわり包んでくれるものだから。
ねぇ? 起きられないじゃない。///////
眸を開けたら、すぐ前に、
進さんのお顔があるんだよ?
あのすっきり涼しい眸があるんだよ?
いやいやって首ごと竦めても、
どこへも逃げたり隠れたりは出来ないから。
そぉって眸を開けるのに、
どれだけ“えいっ”て思い切らなきゃならないか。
そいでね? お返しにって、あのね?
「…起きてますよう。////////」
間近になってるお顔へと、真っ赤になってそうと言ったら、
「…。//////」
そうかって小さく言って、
やっとお顔を離してくれるのだけれど。
インターバルなのに“おやすみ”にならなくっても、
えとうと、いいのかなぁ…。
〜Fine〜 07.5.10.
*お題の順番通りじゃなくってすみません。
先にこっちのネタが浮かびまして。
つか、書いてる内にこっちのお題向けの展開になったので。
いいかげんな奴です、相変わらず。(とほほん)
あと、油断するとセナくんの進さんへの言い回しが、
敬語だらけの“アドニス〜”の彼になってしまう。
確か“です・ます”止まりでしたよね。
これも“気をつけんとな〜”とか思ってます。
*それにつけても、
ジョギングコースの道端で、
朝っぱらから何をやっとる人たちなのやら。
こんなバカップルを朝っぱらから見たら、
間違いなく石になっちゃうぞ〜〜〜。(笑)
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